金柑の剪定方法を解説
あまくておいしい金柑をたくさん収穫するためには、適切な剪定が必要です。樹齢によっても剪定方法が変わりますし、誤った剪定を行うと、実が生らなくなってしまいます。正しい剪定方法で花付きが良くし、毎年たくさんの金柑を収穫しましょう。
あなたの金柑に合う剪定方法を、下記の順で確認していきましょう。
①樹齢を確認
②剪定時期を確認
③剪定のコツ
④間引き剪定をしよう
⑤切り戻し剪定をしよう
⑥摘蕾・摘花・摘果をしよう
金柑の剪定方法
金柑の剪定①樹齢を確認
はじめに、剪定する金柑の樹齢を確認しましょう。金柑は樹齢によって剪定方法が異なります。
植え付け3年以下の金柑の剪定
この時期は、樹勢を強くすることを優先させましょう。そのため、枝の成長を優先させるため、下記3通りの剪定をしましょう。(以下で解説する金柑の剪定③~⑥を参照してください。)
- 間引き剪定
- 切り戻し剪定
- 摘蕾・摘花
植え付け4年以上の金柑の剪定
植え付けから4年以上の金柑は、実の収穫を重視して、間引き剪定を行います。具体的な剪定方法は、以下の解説(金柑の剪定③~④)を参照してください。
金柑の剪定②剪定時期を確認
金柑の剪定の適期は3月です。これには理由があります。金柑の成長サイクルは下記のようになっています。
3月 :剪定
4~5月 :新梢が成長する
5、8、10月:開花・実がつく
12~2月 :完熟(黄色)金柑の収穫
金柑はその年に伸びた新梢に花芽・果実が生ります。これを切ってしまうと、実の数が減ってしまいます。そのため、収穫後かつ新梢が成長する前の3月が剪定の適期となるのです。
また、冬場(12月~1月頃)の剪定は避けましょう。金柑は常緑樹なので寒い冬の間も成長を続けます。寒い冬を越すためには、葉で養分を作る必要があります。真冬に葉が減ると、金柑の木が弱ってしまい、枯れてしまうこともあるので、注意しましょう。
金柑の剪定③金柑の剪定のコツを確認
金柑剪定のコツ1
金柑の剪定のコツは「ほうき仕立て」を意識して剪定することです。ほうき仕立てとは、ほうきを逆さにしたような形のことで、金柑の自然樹形のことです。主幹から伸びる太い主枝を残し、細い枝を間引き、日当たりと風通しを良くしましょう。
金柑剪定のコツ2
剪定は軽めに行いましょう。金柑は他の柑橘類よりも成長が遅く、一度に多くの枝を剪定してしまうと、樹勢が弱ってしまいます。切り戻し剪定は枝の1/3程度とし、間引く枝は厳選して剪定するようにしましょう。
金柑剪定のコツ3
余裕があれば、剪定後の切り口には癒合剤(ゆごうざい)を塗りましょう。雑菌の侵入を防ぎ病気にかからなくしたり、水分や養分の流出を防ぐことができます。
金柑の剪定④間引き剪定しよう
金柑の剪定の基本は、間引き剪定になります。樹齢に関係なく、成長の妨げになる枝は、間引き剪定を行いましょう。間引き剪定の目的は、日当たりや風通しを良くし、成長を促すことです。また、金柑は湿気が多いと病気にかかることがあります。間引き剪定で日当たり、風通しを良くすることで、病気を予防することもできるのです。
間引き剪定を行う枝
- 下側、内側に伸びる枝
- 他の枝と重なる、絡まる枝
- 勢いよく上に伸びる枝
金柑の剪定⑤切り戻し剪定をしよう
切り戻し剪定は、枝の1/3程度を剪定するようにしましょう。こうすることで、新梢の成長を促せます。加えて、樹高を低く保つことができます。日当たりや風通しが良くなるように剪定をしてください。
金柑の剪定⑥摘蕾・摘花・摘果をしよう
植え付け3年以内の金柑の若木は、全て摘蕾・摘花・摘果を行い、樹勢を強くしましょう。植物は実をつけると養分が奪われ、木全体の成長が妨げられます。摘蕾・摘花・摘果を行うことで、枝や根の成長が早まり、結果としてたくさんの金柑を収穫できるようになるのです。
植え付け4年以上の金柑では、この作業はほとんど必要ありません。病害虫の被害にあった実は、早めに摘果し、健全な実に養分が集中できるように心がけましょう。
摘蕾:つぼみを摘む
摘花:花を摘む
摘果:実を摘む