柚子の剪定方法【完全解説】

柚子の剪定方法を解説

柚子をたくさん収穫するためには、適切な剪定が必要です。樹齢によっても剪定方法が変わりますし、誤った剪定を行うと、翌年に実が生らなくなってしまいます。正しい剪定方法で花付きが良くし、毎年たくさんの柚子を収穫しましょう。

あなたの柚子に合う剪定方法を、下記の順で確認していきましょう。
  • ①樹齢を確認
  • ②剪定時期を確認
  • ③剪定のコツ
  • ④今年実が付いた枝を剪定しよう
  • ⑤間引き剪定をしよう
  • ⑥摘蕾・摘花・摘果をしよう


柚子の剪定方法


柚子の剪定①樹齢を確認

はじめに、剪定する柚子の樹齢を確認しましょう。柚子は樹齢によって剪定方法が異なります。

樹齢4年以下の柚子の剪定

柚子は枝を横に伸ばすと実がつきやすくなります。若木の柚子は元気の良い枝を3本選び、横向きに誘引・開帳させて成長させると樹勢が良くなり収穫しやすくなります。この時期は、枝の成長を優先せましょう。樹齢4年目までの柚子の若木は、実をつけないため剪定はほとんど必要ありません。

ただし、樹勢を良くするために、下記2通りの剪定をしましょう。
  1. 間引き剪定
  2. 摘蕾・摘花

1.樹齢4年以下の柚子の間引き剪定

選んだ3本の主枝の成長の妨げになる枝を剪定しましょう。重なり合うような枝を剪定することで、風通し、日当たりを良くして、枝の成長を促進させます(以下で解説する間引き剪定の項目も参考にしてください。)。

2.樹齢4年以下の柚子の摘蕾・摘花

4年目になると蕾や花が付くことがあります。花や実に養分が奪われます。枝の成長を促すためにも、摘蕾・摘花を行いましょう。(以下で解説する摘蕾・摘花の項目も参考にしてください。)

樹齢5年以上の柚子の剪定

樹齢5年以上の柚子は、実を収穫するため、以下の剪定を行います。
  • 実が付いた枝を剪定
  • 間引き剪定
  • 摘果
具体的な剪定方法は、以下の解説(柚子の剪定③~⑥)を参照してください。また、柚子の木が高くなりすぎた場合は、上に伸びた枝を切り戻し、高さを調節すると管理がしやすくなります。



柚子の剪定②剪定時期を確認

柚子の剪定の適期は3月~4月です。これには理由があります。柚子の成長サイクルは下記のようになっています。

5月~8月  :開花・実がつく
10月~12月:完熟(黄色)柚子の収穫
1月~2月  :次年度の花芽が付く

1月~2月に翌年度の花芽が付きますので、これを切ってしまうと、実の数が減ってしまいます。そのため、花芽のない枝を選んで剪定できる3月~4月が剪定の適期となります。

12月~1月頃の剪定は避けましょう。柚子は常緑樹なので寒い冬の間も成長を続けます。寒い冬を越すためには、葉で養分を作る必要があります。真冬に葉が減ると、柚子の木が得弱ってしまい、枯れてしまうこともあるので、注意しましょう。


柚子剪定のコツ


柚子の剪定③柚子の剪定のコツ

柚子剪定のコツ1

柚子の剪定のコツは「開心自然形」を保つことです。これは、3本の主枝を中心に枝を成長させ、それらの種枝を横に広がるよう誘引させた形のことを指します。それぞれの主枝からさらに1本の枝を伸ばし、太陽光が漏れなくダブりなく当たるような樹形を保ちましょう。この形を意識して剪定することで、柚子の木がたくましく育ち、たくさんの柚子が収穫できます。

柚子剪定のコツ2

剪定する枝は、全体の2割を目安にしましょう。一度に多くの枝を剪定してしまうと、樹勢が弱ってしまいます。以下に記載する柚子の剪定方法④、柚子の剪定方法⑤に沿って剪定するとき、剪定しすぎないように注意しましょう。

柚子剪定のコツ3

余裕があれば、剪定後の切り口には癒合剤(ゆごうざい)を塗りましょう。雑菌の侵入を防ぎ病気にかからなくしたり、水分や養分の流出を防ぐことができます。



柚子の剪定④今年実が付いた枝を剪定しよう

柚子の実が生る枝は、今年実が生らなかった枝です。今年、実が生った枝は、次の年は実がつきません。なので、実が生った枝は剪定を行い、実が生らなかった枝は残しましょう。こちらの剪定は翌年の花芽がない枝を選べる時期(3月~4月)に行いましょう。

実を収穫するときに、その枝を剪定するという剪定方法もあります。ただし、この場合も真冬の剪定は避けた方が良いです。10月頃に柚子の実を収穫した場合に限り、その枝を回りの枝と同じ長さまで弱剪定すると良いでしょう。

もちろん、前項、「柚子の剪定③柚子の剪定のコツ」に記載した樹形、剪定割合は守りましょう。


柚子


柚子の剪定⑤間引き剪定をしよう

間引き剪定も3月~4月に行いましょう。間引き剪定の目的は、日当たりや風通しを良くし、成長を促すことです。また、柚子は湿気が多いと黒点病などの病気にかかることがあります。間引き剪定で日当たり、風通しを良くすることで、病気を予防することもできるのです。前前項、「柚子の剪定③柚子の剪定のコツ」に記載した樹形、剪定割合は守りながら、以下の枝を剪定しましょう。

間引き剪定を行う枝

  • 下側、内側に伸びる枝
  • 他の枝と重なる・絡まる枝
  • 勢いよく上に伸びる枝



柚子の剪定⑥摘蕾・摘花・摘果をしよう

摘蕾・摘花・摘果は柚子の木の樹齢によって、方法が異なります。あなたの柚子に適切な方法で作業を行いましょう。

摘蕾:つぼみを摘む
摘花:花を摘む
摘果:実を摘む

樹齢4年以内の柚子の摘蕾・摘花・摘果

樹齢~4年程度の柚子の若木は、全て摘蕾・摘花・摘果を行い、樹勢を強くしましょう。植物は実をつけると養分が奪われ、木全体の成長が妨げられます。摘蕾・摘花・摘果を行うことで、枝や根の成長が早まり、結果としてたくさんの柚子を収穫できるようになるのです。

樹齢5年以上の柚子の摘蕾・摘花・摘果

柚子の実はたくさん生れば良いというものではありません。実を多くつけると、養分が分散しますし、木が弱ります。約100枚の葉につき果実1つが適切な実の数になります。この数を目安に、摘蕾・摘果・摘果を行いましょう。



まとめ

  • 柚子は3本の主枝を中心に成長させましょう
  • 3月~4月に剪定を行いましょう
  • 剪定する枝は全体の2割に抑えましょう
  • 樹齢に応じて適切な剪定を行いましょう
  • 果実1つあたり、葉100枚を心がけましょう