イングリッシュガーデン
今回は、おすすめのイングリッシュガーデンを5つ紹介します。
始めに、イングリッシュガーデンについて、簡単に解説します。
イングリッシュガーデンとは、自然な雰囲気で作られたガーデンです。日本の狭い敷地でも、植栽の幅が1mあれば、ボーダーガーデンを楽しむことができます。また、テラコッタ(植木鉢)を使ったり、アーチ、フェンス、トレリス、オベリスク、パーゴラなどの構造物に植物を誘引することで、立体的にイングリッシュガーデンを作ることもできます。狭い庭でも高さを活かしてステキなイングリッシュガーデンに仕上げることができるのです。
他にも、レンガ、タイル、ベンチ、農具、ブリキやアイアンなどの自然な小物を飾ることで、よりナチュラルな空間を演出できます。
イングリッシュガーデンは、ボーダーガーデン、コテージガーデン、インフォーマルガーデン等に分類できます。以下、それぞれについて解説します。
ボーダーガーデン
ボーダーガーデンは、花壇の奥に行くにつれ草花の草丈が高くなるように、高低差をつけて植栽されたガーデンのことです。こうすることで、どの花も良く鑑賞することができ、庭に立体感が生まれます。ボーダーの幅は1~2mあれば十分作れますので、敷地が狭くても作ることができます。日本の一般的な住宅では、ボーダーガーデンをイメージして作ると良いでしょう。
コテージガーデン
コテージガーデンは、田舎のような、自然な庭のイメージです。果樹や花、ハーブなどの生活に欠かせない植物が植えらているガーデンです。農具などをガーデニング雑貨として飾ると、コテージガーデンの雰囲気が強くなります。
インフォーマルガーデン
インフォーマルガーデンは、人工的ではないガーデンを指します。人為的に作られた素材を使わずに、岩やレンガ、アンティークな雑貨を取り入れたガーデンです。植栽も、自然な感じになるように植え付けることがポイントです。
今回は、国内にあるイングリッシュガーデンの中から、私がおすすめするものを5つに厳選して紹介します。早速、見ていきましょう。
おすすめのイングリッシュガーデン5選
1.軽井沢レイクガーデン
こちらは、長野県軽井沢にあるイングリッシュガーデンです。軽井沢レイクガーデンは、湖を中心に、8つのエリアをもつ広大なイングリッシュガーデンです。四季折々にさまざまな表情をみせる植物が植栽されていますので、年中楽しむことができます。
春(5月~6月)はチューリップやムスカリ、6月~7月はバラと宿根草、夏(7月~8月)はバラとスイレンなどの水辺の花、秋(9月~11月)はアスター、シュウメイギク、紅葉などが楽しめます。
きれいな景色を眺めながら、迷路のような園内を散策し、湖の上の木製の橋を渡ったりと、自然な風景と草花を存分に楽しみたいかたにおすすめです。おいしい食事も食べれますし、カフェで休むこともできます。帰りには、直営のガーデンショップで気に入った苗も購入することができます。イングリッシュガーデンに植栽されている植物を見た後に、苗を購入できるのでおすすめです。また、イングリッシュガーデンに欠かせない雑貨の種類も豊富でした。
私は、家の近くの園芸店では流通していない数種類のゲラニウムとハーブを購入しました。苗の状態もとても良かったです。
2.佐倉草ぶえの丘バラ園
こちらは、千葉県佐倉市にあるイングリッシュガーデンです。まず、庭園の受賞歴がすごいです。庭園の美しさが評価されているのです。
2014年 殿堂入りバラ園(Rose Garden Hall of Fame)
アメリカのグレート ロザリアンズ オブ ザ ワールド プログラム (The Great Rosarians of the World Program) からアジアで初めて殿堂入りバラ園の表彰を受けました。
2015年 優秀庭園賞(Award of Garden Excellence)
世界バラ会連合第17回世界大会で優秀庭園賞を受賞。世界のローズガーデンから特に評価が高いガーデンに贈られる賞です。佐倉草ぶえの丘バラ園は、その評価項目を満点で表彰されているのです。
園内には1250種、2500株のバラが植えられています。ハイシーズンは、バラが見事に咲きます。バラがたくさん咲くバラ園は国内にたくさんありますが、佐倉草ぶえの丘バラ園のすごいところは、バラ以外の草花・花木の植栽が見事なところです。あまりに見事な庭園だったので、私は草花ばかりに目が行き、「下草の写真を撮っては草花の品種を調べる」ということを繰り返してしまいました。
バラ園に併設されている公園には、動物とのふれあい広場や、ミニ鉄道、アスレチックなどのアトラクションがあり、子供連れで行っても飽きることがありません。さらに、苗の販売センターが併設されていて、イングリッシュガーデンで植栽されている品種の苗がを購入することができるのです。私はこちらで「リナリア・パープレア」と「サルビア・ネモローサ・カラドンナ」を購入しました。
佐倉草ぶえの丘バラ園は、バラだけではなく、本格的なイングリッシュガーデンを見てみたい!という方には絶対おすすめのガーデンです。
3.中之条ガーデンズ
こちらは、群馬県中之条町にあるガーデンです。12ヘクタールの広大な敷地で、さまざまな植物が植栽されています。敷地が広いので、数種類のガーデンがエリアごとに作られています。私が訪れたのはバラのハイシーズンでした。特に見ごたえがあったのは、ローズガーデンとナチュラルガーデンです。これらのエリアは自然な植栽がなされ、イングリッシュガーデンとしてとても落ち着いた、また見ごたえのある庭園になっています。ここでは、私のおすすめエリアを2つ紹介します。
・ローズガーデン
バラ育種家で横浜イングリッシュガーデンのスーパーバイザーを務める河合伸志さんが手がけるローズガーデンです。バラとその他の植物との調和が見事です。下草や他の花々との取り合わせ全体を「景色」として鑑賞できるようにローズガーデンが作られています。
・ナチュラルガーデン
春には花草が一斉に芽吹き、ガーデンを彩ります。それぞれの植物の良さが生かされるように、良く考えられて配置されていました。 秋には、秋の花とともに、枯れゆく姿も植物の魅力として見せるように管理されています。花後はやみくもに剪定するのではなく、自然を重視するイングリッシュガーデンではどのように植物を管理するべきなのか、とても勉強になります。
4.横浜イングリッシュガーデン
こちらは、神奈川県横浜市にあるイングリッシュガーデンです。2200品種、2800株のバラが植栽されています。ハイシーズンは5月です。バラと共に咲くクレマチスや宿根草、1年草がとても素敵です。シーズン以外にも、四季咲き性のバラやその他の様々な植物を鑑賞できます。
・2、3月:クリスマスローズ、球根植物など
・4月 :桜、チューリップ、忘れな草など
・5月 :バラ、クレマチス、宿根草など
・6月 :バラ、アジサイ
・7~9月:エキナセア、カンナ、トロピカルプランツなど
・10月 :秋バラ、ハロウィンの装飾
・11月 :秋バラ、宿根草とハンギングバスケット
・12月 :クリスマスの装飾
5.京成バラ園
こちらは、千葉県八千代市にあり、京成グループの京成バラ園芸株式会社によって運営されているイングリッシュガーデンです。ローズガーデンを中心にショップ、レストラン、ガーデンセンターなど、バラをコンセプトとしたサービス施設を併せ持つ複合施設です。園内には1600品種、10000株を超えるバラが植えられています。また、樹木、草花がバラと共に自然な雰囲気で植えられ、イングリッシュガーデンやコテージガーデンのコーナーもあります。バラはアーチ、スクリーン、パーゴラ、ポールなどでバラの魅力が伝わるように管理されています。バラのハイシーズンはとても見事です。ぜひ一度は足を運んでみてほしいイングリッシュガーデンです。
京成バラ園の魅力はガーデンだけではありません。併設されたガーデンセンターがとても良いです。京成バラ園芸は、植物の生産・販売のほかに、世界有数の育種会社としても知られています。京成バラ園芸で生産・育種されたバラの苗を、園芸店やホームセンターでよく見かけます。そのような草花・バラの生産者が運営するガーデンセンターには、ホームセンターとは比べ物にならないたくさんの品種のバラ、宿根草、一年草、果樹、観葉植物、多肉植物が販売されているのです。私も、こちらの販売センターの常連の一人で、良く花苗を買いに行きます。ガーデンで楽しんだ後に、気に入った植物を購入して帰れるなんて、とても幸せじゃないですか?
是非、ハイシーズンに足を運んでみてください。
以上、おすすめのイングリッシュガーデン5つを紹介させていただきました。最後までありがとうございました。