ニゲラの育て方と成長記録


ニゲラの育て方と成長記録

今回は、ニゲラの詳しい育て方を解説し、実際に我が家で育てたニゲラの栽培レポートをお送りします。
ニゲラは、花だけではなくその特徴的な種の形も魅力的ですよね。
そのため、種の形を長く楽しめるドライフラワーの作り方についても触れたいと思います。


みなさんのお花選びの参考になればと思い、以下の点に着目して成長過程をお伝えしていきます。
  • どのくらいの成長スピードなのか?
  • どのくらい大きくなるのか?
  • どのくらいの間、花が咲くのか?
  • 暑い夏や、寒い冬に枯れてしまわないのか?
  • 常緑なのか?
  • いつ芽吹くのか
  • 種や実はどのくらいとれるのか?
私の住まいは千葉県ですので、関東・東海にお住まいの方は特に参考になるかと思います。

それでは、見ていきましょう。


ニゲラはこんな植物

ニゲラは、5月~7月頃に花を咲かせる一年草です。
草丈は40cm~90cm程、レースのように繊細な糸状の葉につつまれ、青や白などの可憐な花を咲かせます。
花びらに見えるガクが散ると、花がふうせんのように膨らみ、幻想的な形を楽しめます。
ガクが散った後の花を乾燥させたものは、ドライフラワーとしても人気です。

ニゲラの花言葉

ニゲラの花言葉は、「戸惑い」「夢の中の恋」「ひそかな喜び」「夢の中で会いましょう」「不屈の精神」などです。
細く繊細な葉の合間から、可憐な花がのぞく様子はとても幻想的で、夢の中という言葉がぴったりですね。
ニゲラは古くから薬としても利用され、人々の健康を陰ながら支えてきました。
そんな経緯から、「深い愛」、「不屈の精神」という言葉も花言葉になったと考えられます。

ニゲラの育て方

日当たり

日当たりがよく、風通しの良い環境を好みます。
我が家でも、いろいろな場所で育てたのですが、日当たりの悪いところで育てたものは、茎ばかりのび、葉も花も小さく育ってしまいました。

種まきの時期や方法・生育適温

種まきの適期は、暖地で9月~10月頃です。

ニゲラは嫌光性種子なので、種に光が当たっていると発芽しづらい性質があります。
種を蒔いた後は、土を十分にかぶせましょう。

また、直根性の植物で根が傷つきやすいので、直まきが適しています。
移植する場合は、丁寧に取り扱いましょう。

発芽の適温は20℃前後です。
寒さに強いので、暖地での冬越しは問題ありません。
種ができると枯れ、夏越しはしません。

栽培に適した土

プランター栽培の場合は、草花用の培養土で大丈夫です。

花壇や地植えで栽培する場合、ニゲラは酸性土壌に弱いので、最初に石灰を入れ耕し、その後2週間くらいしてから堆肥と元肥を入れ土になじませ土壌のpHを調節します。

水やり

地植えの場合、根付いてからは水やりの必要はありません。
鉢植えのニゲラは土の表面が渇いたらたっぷりと与えるようにしましょう。

ニゲラは蒸れには弱いので、花や葉にはなるべく水がかからない様に気を付け、株元のみ水やりをします。

肥料

鉢などで育てる場合は、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ、定期的に緩効性化成肥料または液体肥料を追肥します。
花壇にも元肥は混ぜますが、植えつけてからの追肥は不要です。
肥料が多いと株が弱く育ち倒れやすくなるので、規定量よりやや少なめがよいでしょう。

病害虫

ニゲラによくみられる病気

特になし

ニゲラによく付く虫

アブラムシ

我が家では、まだ苗が小さなときダンゴムシにかじられ、蕾の時に少量のアブラムシ、花が膨らんできてからはナメクジにかじられました。
早めに対処することで、どれも大事に至ることはありませんでした。


ニゲラの栽培レポート

種まき

2022年9月12日
ニゲラの種まきをしました。

昨年、シーズン終わりに特価で購入した苗から採種した種を使いました。
ニゲラは直根性植物のため、移植を嫌います。
本来なら育てたい場所にそのまま撒くのが良いのですが、種が少ししかなかく育つか心配だったので、今回は苗を育てることにしました。

ニゲラの種
種は黒くて、よく見ると
表面に縄目のような模様があります。

ニゲラの種まき

2022年9月12日
本来は赤玉土に種まきをするのですが、
この時は、花壇で余った土を使用しました。


なかなか発芽せず、調べてみるとニゲラが嫌光性種子であることがわかり、種にかぶせる土を少し足したところ、数日後の10月1日に発芽しました。

苗づくり

初めのうちは水切れを起こさないよう気を付けて水やりをしました。
寒くなってからは、降雨があたり日の当たりのよいところへ置き、表面の土が乾いたらたっぷり水をあげました。

一緒に種まきをし、一足早く発芽していた苗達の害虫被害が深刻だったので、ニゲラだけは虫に食べられる前に市販の殺虫スプレーを塗布しました。

春(2月~3月)に種まきをするより、虫のまだ残る秋(9月~10月)に種まきをする方が、害虫の被害は出やすいと感じました。

殺虫スプレーが苦手な方は、不織布などをかけておくと防虫になると思います。

11月頃、本葉が数枚成長したので、花壇や空いている鉢に植え付けを行いました。


ニゲラの植え付け
鉢に植え付けたもの

根が傷つかないよう細心の注意を払い、なるべく主根がまっすぐになるよう、深めに穴を掘って植え替えをしました。

栽培管理

冬の間は、ほとんど成長せず心配になりますが、春になって暖かくなると急にめきめき成長するので安心してください。

ニゲラは寒さに強い植物ですが、2月頃に雪が降った際は、腐葉土でマルチングし、防寒対策を行いました。


4月17日のニゲラ
4月17日
花壇に植え付けたものも大きくなってきました。

ニゲラの蕾
5月7日
蕾が付き始めました。

ニゲラの花
5月25日
花がたくさん咲きました。

ニゲラの花
花の中央に種もでき始めました。

花びらのようなガクが散ったら花がらを摘むようにすると、花期が多少延びます。
筆者は、採種したかったので、それぞれの株の一番花のみ結実させ、他は花がらを摘みました。

ニゲラの種
5月27日
ドライフラワーを
ハンギング法で作成する場合は、
このくらいの時に収穫すると
仕上がりがきれいです。

早々に、花がら取りが追い付かなくなり、どんどん結実していきました。
それでも、六月の中旬頃まで花を付け、下旬ころまで愛らしい種を楽しむことができました。


種とりの目安

6月27日
採種を行いました。

ニゲラ種とりの目安
6月27日 採種の目安
このように袋の頭頂部が
少し開いてきたタイミングが、
良いでしょう。

頭頂部の穴から中の種の色を確認して、真っ黒になっていたら、良い種のできている証拠です。

ニゲラの種とり
6月27日
少し傾けただけで、
真っ黒な種がポロポロこぼれてきました。

今回は、たくさん種ができたので、こぼれ種でも発芽するよう、採種の際にも一部ぱらぱら撒いてみました。



ニゲラのドライフラワーの作り方2選

ニゲラのドライフラワーの作り方は、とても簡単です。
ぜひ、きれいに保存して、可愛らしい種の姿を長く楽しんでください。

ニゲラのドライフラワーの作り方① ハンギング法

十分に良く膨らんで、頭頂部が開く前に収穫します。
日光の当たらない風通しの良いところで、1~2週間程逆さにして干すと完成です。
注意点は、一度にたくさんのニゲラを束ねないことです。
5~6本くらいを束ねて、それぞれの束を離して干しましょう。

ニゲラのドライフラワーの作り方② 瓶挿し法

頭頂部が開いてうすく桃色から茶色に色づいてきたら収穫します。
水の入っていない空の瓶などに挿し、一週間程乾燥させます。

逆さにすると、パラパラと種が落ちてくるので、注意が必要です。
採種するか、こぼれ種として庭に撒いた後、乾燥させましょう。

この作り方の良いところは、束ねたり、吊るしたりする手間が省けるところです。
そのまま一輪挿しなどに飾っても可愛いですね。

ニゲラのドライフラワー

7月8日
収穫してから一週間以上経ったものです。
黄緑色をしていた茎も
すっかり茶色くパリパリになりました。


【まとめ】ニゲラの育て方3つのコツ

ニゲラの育て方コツ① 種まきの時には十分土をかぶせる

ニゲラは、嫌光性種子です。
種に光が当たっていると発芽し辛いので、しっかりと土をかぶせましょう。

また、直根性の植物なので、種に余裕のある時は直まきがおすすめです。
どうしても移植するときは根をなるべく動かさないように注意しましょう。

ニゲラの育て方コツ② アブラムシ等の害虫は早めに対処

芽が小さいときや蕾ができ始めた時などは、アブラムシに注意しましょう。
早めに対処することで、株を弱らせずに済みます。

ニゲラの育て方コツ③ ドライフラワーにして長く楽しもう

ニゲラのドライフラワーは、手軽にきれいに作ることができます。
時間が経ってからも色の退色が少なく、可愛い姿を長く楽しむことができますよ。
ぜひ、チャレンジしてみてください。